2020年07月27日
『ホークスの70年 惜別と再会の球譜』(本の紹介)
久しぶりの「本の紹介」のコーナーです。
第3回目は、永井良和さんの著書『ホークスの70年 惜別と再会の球譜』 です。
1.読むきっかけ
もう一昨年になってしまいますが、2018年は、地元プロ野球球団である福岡ソフトバンク
ホークスの球団創設80周年の記念の年でした。その10年前である2008年に出版され購入
しました。しかし購入してから長期間読む機会を失い、80周年を期に読み始めた次第です。
2.著者の紹介
著者は、都市社会学や大衆文化論を研究する大学の先生です。2003年に共著ですが
『南海ホークスがあったころ 野球ファンとパ・リーグの文化史』を発表。今回紹介する本は
その続編的な要素もあります。
3.本の概要
文字通り、ホークスが誕生から現代を描いています。ただ球団の歴史を単に取り上げて
いるだけではなく、戦前であれば、当時プロ野球全体に暗い影を落とした戦争の影響につ
いての記述があり、後半は応援団や応援方法、そして球団の歴史をいかに後世に伝承さ
せていくかについても記述されています。
4.感想
本の主題から離れてしまうのですが、戦時中のプロ野球の状況が1番印象に残りました。
入団しても1年前後で徴兵となり試合に参加できないケースや、徴兵を回避するため若い
選手を大学夜間部にかたちだけ在学させていたが途中で難しくなりやむなく徴兵されたなど
戦争の影響が克明に記録されています。このような状況に中でも、プロ野球の試合自体は
終戦の年である1945年の1月5日まで、観客が防空ずきんをかぶり駆けつける中開催
されていたそうです(但し公式戦ではなく正月大会という名目で、甲子園と西宮にて開催)。
長いプロ野球の歴史の中で、特にパリーグでは球団の経営母体や本拠地の変遷、球団自
体の消滅もありました。本の中で「野球難民」という言葉が出てきますが、好きなチームを喪失
したファンのためにも、また他のプロスポーツとの最も優位な点である歴史を活かすためにも
終章で触れられた歴史の伝承も重要と感じます。この本はその点でも貴重な文献と感じました。
5.目次
序章 ホークスの七十年
第一部 すべてが忘れられる前に -ベースボールの楽園ー
第一章 職業野球の誕生
第二章 南海野球
第三章 もうひとつの背番号19
第四章 南の島から
第五章 潜龍軍
第二部 もつれる記憶
第六章 混乱と復興
第七章 ホークス誕生
第八章 遺恨
第九章 建設と分裂
第十章 西鉄との死闘
第十一章 落日
第十二章 応援の五十年
第十三章 九州のホークス
第十四章 惜別のあとに
第三部 明日の思い出のために
第十五章 球界再編
第十六章 失われた野球見物
第十七章 歓声を離れて
終章 球史への敬意 以上
Posted by つばめ at 18:52│Comments(0)
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